あの日も確か、よく晴れた夏の日。
十数年ぶり、二回目の沖縄。国体九州ブロック。
『インターハイなんかより、こっちで県の代表として活躍を・・・』
おエライさん方の言うコト、半分も聞いていなかった。
奥武山公園弓道場。
ここは何も変わってない。何も。
結果は散々。でも。
『思い切り愉しんでこい』
顧問の言葉はしっかりと守った。
誰かが彫ろうとしてた名前。
残ってるなら、どの辺にあるんやろ。
沖縄を発つ朝。捕まえたタクシー。
『キレイな海が見えるところへ』
あの頃の夏に僕らは ふざけあって 声をかけて
あの頃の夏に僕らは 白いしぶき うんと跳ねてた
南部の浜辺。
カメラに向けて笑う、大敗したばかりの自称"歴代最強の四人"。
――ふと気がつけば、あれからもう十年。
自分も含めたありとあらゆるものが、
あの頃想像だにしなかったところを流れてやがる。
遠くまで 遠くまで 遠くまでじっと見つめてた
灼きついた青い海 こすってもきっと消えない
次の十年。
今度は、どこで誰と何をやってるんやろ。